マツダの世界戦略を支える主力車種「アクセラ」

2013年6月26日、3代目にフルモデルチェンジされたマツダ・アクセラが発表されました。

アクセラといえばマツダが誇る世界戦略車種で、日本のみならず欧州・米国・オーストラリアなどの幅広い地域で販売されています。

アクセラはそれぞれの地域で高い評価を得ており、マツダの世界戦略を支える主力車種の1つです。

 

出典: マツダ公式サイトより

 

初代アクセラが発売されたのは2003年で、それまで発売されていた「ファミリア」の後継車種としてデビューしました。

初代は世界各国で高い評価を受け、2004年欧州カー・オブ・ザ・イヤーでは日本車最高位となる総合2位を受賞し、また2004年カナダ・カー・オブ・ザ・イヤーも受賞しています。

日本においても発売から3年2か月で国内累計生産台数100万台を達成し、マツダ車としての最短記録を塗り替えました。

 

続く2代目アクセラは2009年から発売開始。

2代目は初代の走行性能を維持しつつ環境性能と安全性能を高めました。

環境性能の向上のためにアイドリングストップシステム「i-stop」を初採用し、また安全性能の向上により2009年ユーロNCAPでは最高評価の5つ星を獲得。

 

2代目の販売も引き続き好調で、オーストラリアでは2011年と2012年に最も販売台数の多かった車種が2代目アクセラだったそうです。

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3代目アクセラにはディーゼルエンジン「SKYACTIVE-D」をラインナップ

そんなマツダの主力車種であるアクセラ。

2013年に3代目が発表され、多くの話題を呼びました。

 

その中でも特に話題を呼んだものの1つが「ディーゼルエンジン」の採用。

3代目のアクセラには2.2Lのディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」がラインナップに用意されています。

 

ディーゼルエンジンの採用は国内市場向けのアクセラでは初でした。

発売当初は5ドアハッチバックの「アクセラスポーツ」のみにディーゼルがラインナップされていました。

 

しかし、2016年のマイナーチェンジでは「アクセラセダン」にもディーゼルエンジン仕様が加わり…

加えて1.5L仕様の「SKYACTIV-D 1.5」もラインナップに加わりました。

 

「SKYACTIVE-D 2.2」はCX-5やアテンザにも続いて搭載され、「SKYACTIV-D 1.5」はデミオやCX-3に続いて搭載されたエンジンです。
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燃費とトルクに優れたディーゼルエンジンのアクセラ

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比較して熱効率に優れているため、ガソリンエンジンより燃費が良いという特徴があります。

そのため、高効率なエンジンを採用することでアクセラの燃費性能は更に向上したのです。

実際に、1.5Lガソリン仕様と1.5Lディーゼル仕様(いずれもFF・AT仕様)のカタログスペックを比較すると…

 

ガソリン仕様ではJC08モード燃費で20.4km/Lであるのに対し、ディーゼル仕様では21.6km/Lと、同一排気量で比較するとディーゼル仕様のほうが低燃費であることが分かります。

加えて、ディーゼルエンジンの特徴といえば「トルクの太さ」です。

先ほどの1.5Lガソリン仕様とディーゼル仕様を再び比較すると…

 

ガソリン仕様では最大トルクが14.7kgf・m/3,500rpmなのに対して、ディーゼル仕様では27.5 kgf・m/1,600-2,500rpmと、ガソリン仕様の2倍近くの最大トルクを発揮します。

さらに2.2Lディーゼル仕様になると42.8kgf・m/2,000rpmと、こちらも同クラスの他車と比較して2倍程度のトルクを備えています。

この太いトルクにより発進時や高速での追い越し時、坂道など、あらゆるシーンでクルマをスムーズに加速させることが出来ます。

 

マツダのディーゼルエンジンに関しては、

こちらで詳しく書いています。

 

実際にアクセラのディーゼルに試乗した人は、そのスムーズな加速に驚く人が多いようです。

そのようなディーゼルエンジンですが、市販車へ積極的に導入する国内メーカーはマツダ以外にはほとんど見られません。

 

それはディーゼルエンジンが抱える特性に原因があります。
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ディーゼルエンジンの普及を阻む「圧縮比」の壁とは

ディーゼルエンジンがガソリンエンジンよりも高効率なのは、ディーゼルエンジンの「圧縮比」がガソリンエンジンよりも高いことに起因します。

圧縮比とは「シリンダーが下死点のときの内燃室の容量」と「シリンダーが上死点のときの内燃室の容量」の比のこと。

ざっくり言うと「投入した混合気をピストンがどのくらい圧縮するか」を示す割合です。

 

理論上、圧縮比が高いほどエンジンの熱効率は高くなり、燃費も改善します。

そしてディーゼルエンジンの原理上、ガソリンエンジンの圧縮比よりもディーゼルエンジンの圧縮比のほうが高くなります。

 

一般的なガソリンエンジンの圧縮比が10程度なのに対し、ディーゼルエンジンの圧縮比は18程度。

この高い圧縮比によりディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも低燃費なエンジンとなるのです。

 

しかし、この高い圧縮比がディーゼルエンジン特有の欠点を生み出す原因にもなります。

まず圧縮比が高いということは、その分だけ混合気を高温・高圧状態にまで圧縮することになります。

そのような高温・高圧に耐えるためにはエンジンの強度を高める必要があるため、エンジンの重量増を招き、燃費の悪化に繋がります。

 

また、高温状態では窒素酸化物(NOx)が発生しやすく、加えて燃料が均一にシリンダー内へ拡散する前に燃焼が始まるため、不完全燃焼が起こりやすく、煤も発生しやすくなります。

これにより排ガス性能が悪化し、環境性能へ悪影響を与えるのです。

 

従来のディーゼルエンジンでは、これらの高圧縮比に起因する問題を解決できなかったため、ディーゼルエンジンの普及がなかなか進みませんでした。
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驚異の「圧縮比14」を実現したSKYACTIVE-D

そこで、マツダはこれらの問題を解決するために、あえて「圧縮比を下げる」というアプローチを取りました。

前述の通り、従来のディーゼルエンジンにおける圧縮比は18程度でしたが。SKYACTIVE-Dではなんと圧縮比を14にまで低下させたのです。

 

圧縮比を下げて燃焼時の圧力と温度を低下させることで、エンジンに必要な強度を下げ、その分だけエンジンを軽量化することに成功しました。

さらに圧縮比を下げることでNOxと煤の発生を抑え、特別な排ガス浄化装置を使わずに高い排ガス性能を実現したのです。

 

もちろん、圧縮比を単純に下げるだけではエンジン内での燃焼が不安定となります。

それを防ぐために、より精密な燃料噴射の制御が可能な「マルチホールピエゾインジェクタ」の採用や、可変バルブリフト機構による空気温度の調整など、SKYACTIVE-Dでは燃料の燃焼状態を改善するためのテクノロジーが採用されています。

これらの新技術の採用により、SKYACTIVE-Dでは従来のディーゼルエンジンよりも低い圧縮比を実現することができ、高い効率と環境性能を実現することが出来たのです。

 

アクセラに関しては、

こちらで詳しく書いていますので、参考にどうぞ。

 

アクセラディーゼルエンジンのまとめ

3代目アクセラは、次世代ディーゼルエンジン「SKYACTIVE-D」の採用により、高い動力性能と環境性能の両立を実現することが出来ました。

このSKYACTIVE-Dは従来のディーゼルエンジンを超える高い環境性能と燃費を実現し、ディーゼルエンジンの新たな可能性を開いたエンジンです。

 

ハイブリッドカー、電気自動車に次ぐ新たなエコカーの可能性として、次世代ディーゼルエンジンの今後の発展が期待されます。
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